公開日 2012年10月04日 伊勢原の指定文化財 銅鐘 読み、指定、種別、数量、所有者、指定日一覧 よみ どうしょう 指定 県指定重要文化財 種別 工芸 数量 1口 所有者 高部屋神社 指定日 昭和44年12月2日指定 詳細情報 銅鐘の大きさ 総高 108.7センチメートル 口径 61センチメートル 竜頭高 21.4センチメートル 解説 この銅鐘は、鐘を吊下げる部分である竜頭(りゅうず)が竜の頭部を左右に見開く形状をしており、額にくっきりと立つ二本の角、引き締まった目鼻、渦巻き状の鬣(たてがみ)や眉の先端、嘴状(くちばしじょう)に尖った唇など全体的に均整が取れ、物部姓鋳物師(もののべせいいもじ)の意匠(いしょう)がみられます。 竜頭の下に横帯のように入る上帯には雲文(うんもん)、下側に横帯状に入る下帯には唐草文(からくさもん)が刻まれています。 鐘の最下端にあり外側に張り出す部分を駒爪(こまづめ)といい、ここが斜めに出る形は物部姓鋳物師の特徴の一つです。 銘文は鐘ができた後に刻む陰刻により「糟屋庄惣社の八幡宮の釣鐘」で願主が平秀憲(たいらのひでのり)、制作者は河内守國宗(かわちのかみくにむね)であることが力強く刻まれています。 平秀憲については現在のところ不明ですが、河内守を名乗る工人については清原氏であることが最近の研究でわかってきています。この清原氏は中世の相模国・武蔵国を中心に活躍した相模鋳物師の物部氏の後継者的存在にあたります。 製作年代は銘文により室町時代前半の至徳3年(1386)であることが分かります。 お問い合わせ 文化財係住所:伊勢原市田中348番地TEL:0463-74-5109FAX:0463-95-7615
解説
この銅鐘は、鐘を吊下げる部分である竜頭(りゅうず)が竜の頭部を左右に見開く形状をしており、額にくっきりと立つ二本の角、引き締まった目鼻、渦巻き状の鬣(たてがみ)や眉の先端、嘴状(くちばしじょう)に尖った唇など全体的に均整が取れ、物部姓鋳物師(もののべせいいもじ)の意匠(いしょう)がみられます。
竜頭の下に横帯のように入る上帯には雲文(うんもん)、下側に横帯状に入る下帯には唐草文(からくさもん)が刻まれています。
鐘の最下端にあり外側に張り出す部分を駒爪(こまづめ)といい、ここが斜めに出る形は物部姓鋳物師の特徴の一つです。
銘文は鐘ができた後に刻む陰刻により「糟屋庄惣社の八幡宮の釣鐘」で願主が平秀憲(たいらのひでのり)、制作者は河内守國宗(かわちのかみくにむね)であることが力強く刻まれています。
平秀憲については現在のところ不明ですが、河内守を名乗る工人については清原氏であることが最近の研究でわかってきています。この清原氏は中世の相模国・武蔵国を中心に活躍した相模鋳物師の物部氏の後継者的存在にあたります。
製作年代は銘文により室町時代前半の至徳3年(1386)であることが分かります。