大山寺縁起 上巻 第8段 

公開日 2015年04月13日

執金剛神像の足から五色の光が発せられ、皇宮を照らす場面

上巻8

その後、童子は、上人のために執金剛神像を造立し、これを本尊としました。像の足に五色の糸を掛け、礼拝のたびに「聖朝安穏、天下泰平、興隆仏法、利益衆生」と唱えていました。
 するとその信力がかなったのか、本尊の脚に掛けていた五色の糸が天皇(聖武天皇)の王宮を照らしました。帝はこれを不思議に思い、勅使を派遣してその光源を探索させたところ、その光が執金剛神像の元から発していることを知りました。そこで勅使がその理由を問いただすと、童子は「自分には興隆仏法の気持ちはあるものの、自力ではどうしてもかなえがたい。天皇の威光を頼りにして大伽藍を建立し、仏法も修行したい」との趣旨を伝えました。

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