公開日 2022年02月15日
3.上粕屋・秋山遺跡
1 遺跡の概要
- 所在地
伊勢原市上粕屋字秋山3086-2・3072-10・3073-1他 - 調査原因
厚木秦野道路建設工事に伴う発掘調査 - 調査期間
令和元年11月1日~令和3年2月26日
令和3年6月1日~令和3年7月29日 - 主な時代
旧石器・縄文・古墳・古代・中世・近世 - 遺跡立地
上粕屋扇状地・開析扇状地の段丘(台地)上 - 調査組織
公益財団法人かながわ考古学財団
厚木秦野道路と新東高速道路を結ぶ伊勢原大山IC.の外周を巡る機能保障道路部分の調査で、令和元年11月に着手し、令和3年2月26日まで、また令和3年6月1日から7月29日に実施しました。本遺跡は大山から流れる鈴川が形成した上粕屋扇状地の扇端に位置し、渋田川支流が開析した沖積地に面する崖線上に立地します。
本遺跡は大山から流れる鈴川が形成した上粕屋扇状地の扇端に位置し、渋田川支流が開析した沖積地に面する崖線上に立地します。
縄文時代の遺構は、後期と中期のものが多く発見されています。後期の遺構は敷石住居跡、屋外埋設土器、配石、土坑墓などがあります。後期の遺構で特筆されるのは配石群です。これらは一部に土坑を伴い、配石墓とみられます。また、配石群に先行する土坑墓群も発見されました。配石群・土坑墓群が発見された箇所には縄文時代前期から中期に該当する土層が認められず、土坑墓群の構築に先立ち、大規模な削平が行われている可能性が考えられます。縄文時代中期の遺構としては、竪穴住居跡、土坑などが発見されました。中期に属する竪穴住居跡の1軒からは、床面に人骨が置かれた状態で出土しました。出土した人骨は、一度骨になったものを焼き、さらに住居の床面に並べるといった複雑な過程を経ていたことが指摘されます。
旧石器時代の遺物集中は、令和2年度の調査で2箇所、令和3年度の調査で3箇所が、ローム層であるL1H下層~B1層直上で発見され、ともに槍先型尖頭器段階のものでした。遺物集中の1箇所は黒曜石、他はガラス質黒色安山岩を中心として構成されていました。
2 調査地点
3 調査の写真
- 旧石器時代
- 遺物集中-石器製作跡
- 旧石器時代
- 基本土層
- 旧石器時代
- 槍先型尖頭器とナイフ形石器
- 旧石器時代
- 調査完掘全景
- 旧石器時代
- 調査区全景
- 縄文時代
- 人骨出土状況(※)
- 縄文時代
- 打製石斧埋納(※)
- 縄文時代
- 土偶出土状況(※)
- 縄文時代
- 土坑墓群
- 縄文時代
- 配石群
- 縄文時代
- 立石を伴う配石
- 縄文時代
- 釣手土器出土状況1(※)
- 縄文時代
- 釣手土器出土状況2(※)
- 中世
- 地下式坑
- 近世
- 石敷道路状遺構1
- 近世
- 石敷道路状遺構2
※神奈川県教育委員会所蔵