上粕屋・和田内下遺跡(令和4年度調査)

公開日 2023年02月17日

上粕屋・和田内下遺跡

遺跡の概要

  • 所在地
    伊勢原市上粕屋字和田内下3029、3031番地外2筆
  • 調査原因
    一般国道246号(厚木秦野道路)建設工事に伴う発掘調査
  • 調査期間
    令和3年6月8日~令和4年12月28日
  • 主な時代
    縄文、弥生、古墳、奈良~平安、中世、近世
  • 遺跡立地
    上粕屋扇状地東側に位置する谷の平坦部

 

上粕屋・和田内下遺跡の調査は6区を令和3年6月8日より、7区を令和3年10月18日より開始し、令和4年度も調査を継続しています。6区、7区は近接した調査区で、令和4年度の調査では6区・7区ともに中世、奈良・平安時代の溝状遺構が調査区外に延びていたため調査範囲の拡張を行っています。調査は令和4年12月28日に終了しています。
 6区の調査では、中世の溝状遺構3条、古墳時代の溝状遺構1条、縄文時代の住居跡1軒、土坑1基が確認されています。
 中世の溝状遺構からは堰の可能性がある木製の構造物が確認されています。堰によって水位を調節し、農業用水などの利水が行われたことも考えられます。縄文時代の住居跡は後期の敷石住居跡の入口部の敷石と思われる箇所のみが確認されましたが、住居跡の居住部や炉の痕跡などは確認することができませんでした。
 7区の調査では、中世の溝状遺構1条、奈良~平安時代の溝状遺構3条、縄文時代の集石3基が確認されています。
 6区、7区にまたがって縄文時代の流路跡も確認されています。縄文時代の流路跡からは縄文時代早期~後期の土器片が出土していますが、出土土器の大半は中期~後期の土器です。和田内下遺跡の南側の台地上に立地する秋山遺跡では縄文時代中期~後期の集落が確認されていますので、集落の人々が谷を行き来していたことも考えられます。また、流路跡からは磨石、石皿、石槍などの石器、石棒や玦(けつ)状耳飾りなどの石製品も出土しています。

調査の写真

上粕屋・和田内下1
J1号住居跡(縄文)
上粕屋・和田内下2
堰の可能性のある構造物(中世)
上粕屋・和田内下3
玦状耳飾り出土状況(縄文)
上粕屋・和田内下4
石棒出土状況(縄文)
上粕屋・和田内下5
縄文時代流路

地図

遺跡の位置

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