講演・スピーチ 令和2年市長施政方針

公開日 2020年02月19日

更新日 2020年02月19日

市長ph

とき:令和2年2月19日

ところ:令和2年3月定例会

令和2年度伊勢原市予算案を御審議いただくに当たり、その概要及び市政運営に関します所信の一端と、主な施策の大綱につきまして申し述べます。

本年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催とともに、本市の新たな「玄関口」として、待望の伊勢原大山インターチェンジが開通する大きな節目を迎えます。こうした環境変化を足掛かりに、地域経済の活性化と市政発展の確かな歩みを進めてまいりたいと考えます。

その一方、国際情勢の流動化に加え、多発する自然災害や新型コロナウィルスによる感染症の拡大など、本市の危機管理体制の充実・強化を図ることが求められています。

令和2年度予算案は、こうした基本認識の下で、引き続き、「財政健全化を進めるとともに、第5次総合計画を着実に推進する」ために編成しました。

「市民目線」と「現場主義」を念頭に、「健康寿命の延伸」「地域経済の活性化」「都市の活力向上」「子育て環境づくり」の4つのリーディングプロジェクトを柱に、引き続き、「連携・連動推進チーム」を中心に市民や団体の皆様とも連携・協働し、スピード感を持って市政運営の舵取りをしてまいる所存です。

予算編成の基本的な考え方

現下の経済情勢に鑑み、法人市民税を中心に税収減が見込まれる中、可能な限りの市民福祉の向上と市民生活の安全・安心に配慮するとともに、新たな産業基盤の創出に向け、東部第二土地区画整理地区及び伊勢原大山インターチェンジ周辺地区において、必要な投資を継続する予算といたしました。

小児医療費助成制度における対象年齢拡大、放課後の子どもの安全な居場所の拡大、子育てや教育に関する相談・支援体制の充実、小学校への防犯カメラ設置、中学校給食全校実施に向けた準備、ハザードマップの更新、ごみ減量化の取組充実、市道の改善、橋りょうや下水道の地震対策、総合運動公園再生修復整備のほか、小中学校や社会教育施設の長寿命化の取組など公共施設等総合管理計画を推進し、直面する諸課題へ適切に対応してまいります。

また、働き方改革の趣旨も踏まえ、人事給与庶務事務システム導入に向けた準備のほか、文書管理システムの導入や事務用タブレット端末の段階的導入、教職員出退勤管理システムの試行など、事務効率化に向けた取組も進めてまいります。

財政健全化の面では、市債残高及び公社債務を縮減し、着実に将来世代の財政負担を軽減したほか、特別会計等に対する繰出金等も縮減いたしました。

令和2年度も、「住み続けたい」あるいは「住んでみたい」と実感していただける「選ばれるまち伊勢原」、そして、伊勢原に住み、伊勢原で学び、伊勢原で働き、伊勢原を訪れる誰もが、それぞれの立場でそれぞれの「しあわせ」を実感することができる「しあわせ創造都市 いせはら」の実現を目指してまいりたいと思います。引き続き、市政推進に全力で取り組んでまいります。

予算規模

令和2年度伊勢原市予算案の概要につきまして、御説明いたします。金額につきましては、100万円単位といたしますことを御了承願います。また、比較増減は、令和元年度当初予算に対するものであります。

まず、予算規模につきまして申し上げます。

一般会計の予算額は344億400万円で、4億5,100万円増となりました。
これは、子ども・子育て関連や障がい福祉関連など扶助費の増のほか、中学校給食全校実施に向けた準備、青少年センター本館解体工事、都市計画道路田中笠窪線整備事業の進ちょくに加え、会計年度任用職員制度の導入に係る経費の計上ほかによるものです。

特別会計及び公営企業会計を合わせた5会計の予算額は、243億500万円で、5,600万円増となりました。
これは、国民健康保険事業特別会計及び公共下水道事業会計は減となったものの、介護保険事業特別会計及び後期高齢者医療事業特別会計が増となったこと等によるものです。
以上、6つある全会計の予算額は587億900万円で、5億700万円増です。

  次に、一般会計予算案の概要につきまして申し上げます。まず、歳入です。

  •  一般財源額は、222億8,500万円で、5億4,400万円増となりました。税収減の一方、地方消費税交付金や法人事業税交付金、財政調整基金繰入金の増等によるものです。

続きまして、予算の科目別に主なものを申し上げます。

  • 市税は、3億8,700万円減となりました。個人市民税について、給与所得の増等に伴い、1億7,200万円増の一方、法人市民税について、主要法人の収益減や税率引下げ等により、4億7,300万円減、固定資産税について、償却資産分の減により、1億1,100万円減を見込んだこと等によるものです。
  • 地方譲与税、地方交付税及び各種交付金につきましては、令和元年度の決算見込みなどを基に計上し、5億6,100万円増を見込んでいます。消費増税の通年化の影響等による地方消費税交付金の増のほか、法人事業税交付金の新設等によるものです。
  • 国庫支出金は、2億1,900万円減となりました。扶助費の増の一方、保育所等整備交付金の減に加え、プレミアム付商品券事業の終了等によるものです。
  • 寄附金は、1億9,100万円増となりました。みどりのまち振興財団からの寄附金によるものです。
  • 市債は、2億7,300万円増となりました。都市計画道路田中笠窪線整備事業、青少年センター本館解体工事、中学校給食全校実施に向けた準備ほかの増等によるものです。

続きまして、歳出につきまして、性質別に主な内容を申し上げます。

  • 人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は、6億8,400万円増となりました。公債費の減の一方、会計年度任用職員制度の導入に伴い人件費が増となったほか、扶助費が増となったことによるものです。
  • 普通建設事業費は、5億7,800万円減となりました。認定こども園整備に対する支援や消防団車庫待機室新築工事、中央備蓄倉庫建設工事の減のほか、小学校のトイレ改修工事が減となったことなどによるものです。
  • 積立金は、1億9,000万円増となりました。みどりのまち振興財団からの寄附金全額を財政調整基金に積み立てることによるものです。

続きまして、各特別会計につきまして申し上げます。

  • 国民健康保険事業特別会計は、1億7,300万円減となりました。被保険者数の減等によるものです。一般会計からの繰入金は、6,300万円減です。
  • 用地取得事業特別会計は、3,800万円増となりました。伊勢原駅前線整備事業用地の取得に係る市債償還元金の増によるものです。一般会計からの繰入金は、3,800万円増です。
  • 介護保険事業特別会計は、2億2,700万円増となりました。サービス利用者の増等によるものです。一般会計からの繰入金は、5,600万円増です。
  • 後期高齢者医療事業特別会計は、1億3,500万円増となりました。被保険者数の増等によるものです。一般会計からの繰入金は、1,700万円増です。

最後に、公営企業会計につきまして申し上げます。

  • 公共下水道事業会計は、1億7,100万円減となりました。減価償却費の減等によるものです。一般会計からの繰入れは、負担金・補助金・出資金の合計で、5,500万円減です。

令和2年度 主な施策

令和2年度の主な施策につきまして、第5次総合計画中期戦略事業プランの「暮らし力」、「安心力」、「活力」、「都市力」、「自治力」の5つの施策体系に沿って御説明いたします。

「暮らし力」の施策

「生涯にわたって健康に暮らせるまちづくり」の取組

健康相談等の実施や各種教室の開催、また、低栄養が懸念される高齢者に対する訪問指導の開始、健康バス測定会等を通じた生活習慣病予防のほか、肝炎ウィルス検査の対象拡大やがん健診受診率向上の取組などにより、「こころと体の健康づくり」を推進いたします。

また、「かかりつけ医」の普及定着に取り組み、「安心できる地域医療体制の充実」を図ります。

   

「みんなで支え合う福祉のまちづくり」の取組

高齢者や障がいのある方の安心な暮らしを支える市民後見制度の利用促進に取り組み、「多様な連携による地域福祉の推進」を図ります。

また、高齢者の社会参加の場である介護支援ボランティアポイント制度の運用や地域包括支援センターの運営支援などにより、高齢者が住み慣れた地域で安心して自立した生活を営めるよう、「高齢者の地域生活支援の充実」を図ります。

   

「子どもを産み育てやすいまちづくり」の取組

子育て世代包括支援センターを開設し、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を行うとともに、子育て中の親子が集える場である「つどいの広場」を増設します。また、小児医療費助成制度について、通院に係る助成対象年齢の拡大など、「子育て家庭への支援の充実」を推進いたします。

   

「子どもや若者の成長と自立を支えるまちづくり」の取組

子どもたちが、放課後に安全に過ごせる場である、放課後子ども教室を増設し、「次代を担う子ども・若者の育成支援」を推進いたします。

   

「子どもの生きる力をはぐくむまちづくり」の取組

小学校における外国語指導助手の配置拡充のほか、スクールソーシャルワーカーの増員等による教育相談の充実に取り組み、「きめ細やかな教育」を推進いたします。

また、トイレ改修や体育館照明のLED化、防犯カメラ設置など小中学校施設の改善を進めるほか、中学校給食について、全校実施に向けた準備を進めるなど、「安全で快適な教育環境の整備」を図ります。

   

「いつまでも学び生きがいがもてるまちづくり」の取組

各種スポーツ大会の開催やスポーツ指導者養成のほか、オリンピック・パラリンピック聖火イベントなど関係機関と連携した取組を通じ、市民が日常的に運動・スポーツをするきっかけづくりに取り組むなど、「誰もが親しめるスポーツ活動の推進」を図ります。

また、日本遺産協議会の運営を支援し、「歴史・文化遺産の活用と継承」を推進いたします。

   

「安心力」の施策

「災害から市民のいのちを守るまちづくり」の取組

自主防災リーダー育成のほか、総合防災訓練の開催等を通じ、関係機関等との連携強化を図り、「みんなで取り組む地域防災力の強化」を推進いたします。

また、街区公園では、かまどベンチなど防災機能を備えた設備を整備し、「いざという時の危機対応力の強化」を推進いたします。

更に、マンホールトイレの整備や公共下水道幹線のネットワーク化、ハザードマップの更新により、「被害を最小限に抑える減災対策」を推進いたします。

   

「暮らしの安全を守るまちづくり」の取組

防犯カメラや防犯灯の維持管理、また、子どもの見守り活動支援やくらし安心メールの運用等を通じ、「地域とともに取り組む防犯対策」を推進いたします。

また、救助工作車の更新や消火栓の増設により、「迅速で適切な消防・救急体制」を強化いたします。

   

「一人ひとりが大切にされるまちづくり」の取組

外国籍市民等の生活支援のため、医療及び一般通訳者の派遣事業のほか、一部窓口での通訳機能付きタブレット端末の導入など、「平和と多文化共生社会」を推進いたします。

   

「活力」の施策

「地域の産業が盛んなまちづくり」の取組

中小企業の販路拡大や空き店舗の活用等による商店街の活性化支援のほか、産学官連携によるロボット実証実験や生活支援ロボットの普及啓発など、「地域を支える商業・工業の振興」を推進いたします。

 また、農地の集積・集約を図る農業者や意欲ある若手農業者の支援や総合的な鳥獣被害対策など、「地域とつながる都市農業・森林づくり」を推進いたします。

   

「多くの人が訪れる賑わいのあるまちづくり」の取組

「平成大山講プロジェクト」により、地域通訳案内士制度の導入や海外の中高生の教育旅行の受入れ促進とともに、日本博いせはら観光インバウンド推進事業を通じ、大山地区を中心とした国際観光地づくりに取り組み、「魅力ある観光の振興」を推進いたします。

また、公式イメージキャラクター「クルリン」やシティプロモーションブックの活用、また、若い世代の発想による動画作成などに取り組み、「シティプロモーションの推進」を図ります。

   

「都市の骨格を支えるまちづくり」の取組

東部第二土地区画整理地区では、土地区画整理組合に対する技術的援助や財政支援を行うとともに、伊勢原大山インターチェンジ周辺地区では、市街化区域編入及び土地区画整理組合設立認可に向けた手続きを進めるなど、「地域特性を生かした新たな産業基盤の創出」を推進いたします。

更に、伊勢原駅北口周辺地区では、交通機能配置計画や施設計画など、都市計画変更に向けた計画策定に取り組み、「交流がひろがる拠点の形成」を推進いたします。

   

「都市力」の施策

「みんなの努力で環境にやさしいまちづくり」の取組

合併処理浄化槽への転換促進のため補助対象の拡大により水質汚濁の防止を図り、「自然共生社会の構築」を推進いたします。

また、更なるごみの減量化・資源化に向け、木質系素材粗大ごみの資源化を開始し、「低炭素・循環型社会の構築」を推進いたします。

   

「安全で円滑な移動ができるまちづくり」の取組

舗装打換や歩道・グリーンベルトなど交通安全施設整備のほか、道路照明のLEDへの一斉更新など、子どもや高齢者、障がいのある方など誰もが、スムーズに移動できるよう、「安全な交通環境の整備」を推進いたします。

   

「便利で機能的なまちづくり」の取組

都市計画道路や公共下水道の整備を進め、「都市の機能を高める基盤施設の整備」を推進いたします。

また、橋りょうの修繕及び耐震化、下水道管渠の計画的な維持管理や更新のほか、小中学校及び社会教育施設の長寿命化計画策定に取り組み、「公共施設の効率的な活用と維持管理・保全の推進」を図ります。

更に、総合運動公園再生修復整備方針に基づき、子どもの広場や展望広場等の整備を実施するほか、鈴川公園のトイレ改修など、老朽化した公園設備の更新等により、「みんなで楽しめる公園づくり」を推進いたします。

   

「自治力」の施策

「地域の力が発揮できるまちづくり」の取組

市民活動団体等との協働による提案型協働事業や地域集会所の修繕に対する支援等により、「市民協働と地域コミュニティの活性化」を推進いたします。

 また、市制施行50周年を記念したグラフ誌や特別番組の制作等により、「市民に身近な市役所づくり」を推進いたします。

   

「次代へつながる確かな行財政運営ができるまちづくり」の取組

市税等徴収率の更なる向上に努めるとともに、事業公社経営健全化計画に基づき、債務の計画的な縮減を図り、「健全で安定した財政運営の強化」を推進いたします。

   

以上、第5次総合計画中期戦略事業プランの主な事業につきまして、5つの施策体系に沿って御説明し、令和2年度の施政方針並びに予算編成大綱を申し述べました。
「しあわせ創造都市 いせはら」の実現に向け着実に進んでまいりますので、皆様の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
 

細部につきましては、各担当の部長から説明させますので、御審議の上、御理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

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