第二次中間提言 4 望ましい組織編成

公開日 2010年04月01日

更新日 2016年05月27日

伊勢原市行財政運営改善推進委員会 意見概要

4 望ましい組織編成

【各意見の委員会区分】

第一小委員会:[□]第1回、[○]第2回、[◆]第3回、[◎]第4回、[▽]第5回、[■]第6回

第二小委員会:(□)第1回、(○)第2回、(◆)第3回、(◎)第4回、(▽)第5回、(■)第6回

全体会: ▼ 第9回、 ★ 第10回

[基本的な考え]

[□]市長と職員とのギャップをどう埋めているのかよく分からない。行政職員として、この目的を達成するためにこのことが必要だと思えば、ちゃんと市長と話し合うとか、そういう場面がもっとたくさんあったほうがいいのではないか。

[□]トップというのは、市長であれ会社の社長であれ、大勢の大きな組織を引っ張って行くわけだから、どうしてもビジョンとか、理念、考え方を出して行く。おそらくトップのもどかしさは、その理念を一つひとつの具体策の中に部下が反映してくれて動いているかどうか、そこの所のもどかしさがあると思う。部長や課長はトップとの接点があるからそれをどう具体的にやろうと思う。ただ末端の市民に接する職員は、今までのやり方はこうだからという、そちら側から行動が出てくるだろうから、そこにギャップが伴うのではないか。その点は民間企業でも同じで、うまくいっている会社は、社長が現場へ来て、末端の人と話してやっている。訓示だけ言って黙れと言って、本人は宴会に行ってしまうのとは違う。

[□]トップが理念、考えを一所懸命伝えようとする。伝えない人に比べればいいが、伝わらないものいう前提で考える。だから形に見えるようにできるかどうかである。例えば「市民と同じ目線で」と言うなら、抽象的なことは言わないでローカウンターにして両方座れとか、あるいは市民に立ってもらうなら職員も立ったまま応対しろと言う。それが市民の立場に立って行政を考えるという意味だと、そこまで市長が言わないなら、部課長クラスがそこまで落として言ってあげると職員の行動が変わる。行政でも、行動が変われば意識が変わる。意識を変えてから行動を変えるというのは無理だ。市民を巻き込むとか、市民と一緒にとか、理念を書いてあるだけでは駄目で、それを具体的な行動に結びつける具体的に見える形を作ることが必要。

[□]トップの思想を伝えるために3階層のミーティングというのをやっている。具体的には、トップと部長と課長、部長と課長と係長、課長と係長と全員という形で年2回やる。内容は半年ごとの反省と、次の半年を考えること。下の考え方を聞くという立場もあるし、下に言わなければならないこともある。

[◆]花王の大改革のとき、花王生活科学研究所というのは研究所でありながら、席を持っていないそうだ。朝行ったら、大きなテーブルが二、三十個あって、関連のある仕事をしそうな人がそのテーブルに座る。1日仕事をして、終わったら、あしたはこの仕事というふうにそれで花王というのは大改革、意識改革までできた。行政も窓口だと毎日動くわけにいかないが考えたり、説明したり、サービスをしたりするのはそれに近い自由度がどこかに欲しい。

[◆]パソコンで色々な質問項目、相談項目を体系的に整理できれば、職員が操作しながらそれなりのやりとりができるようになる。これからの課題である。
→最初はお客さん対応の窓口にしておいて、そこにどういう問題が投げかけられるかをある程度整理して、対応策をデータベース化するということになる。
→最終的にはどれだけ幅広い専門知識を持った職員が対応できるかというところに行き着くと思うが、IT等を活用すれば補完することができる。

[◆]市民の相談に幅広く応じることができるということは、反面では市民のプライバシーが丸裸になるおそれも生じる。だがそれに近い何かを考えないと、中途半端な専門家ばかりでは、たらい回しの連続になると思う。そのあたりの兼ね合いをどうするか。

[▽]市の正規職員のほかに嘱託、臨時職員などがいるが、それぞれがどのような仕事をしているのかがよく分からない。正規職員でなくてもいいなら、その部分は民間に任せられるのではないか。
→業務の繁閑期のサイクルで閑散期の業務を賄うだけの正規職員を配置し、繁忙期には嘱託・臨時職員を雇用するのが原則。嘱託職員は試験の手続きを踏まずに、その専門知識等を活用するもので、週30時間までの勤務。臨時職員は短期雇用が原則で日給の者もいる。ただし現実的には区分があいまいな面もある。国において短期任用の正規職員の制度化など地方公務員制度の見直しも進んでいる。

[▽]コスト・人件費問題を考えるときにポイントになるのが、(1)行政組織の中で職員数が多いところ、(2)「公」がやらなくてもいいサービスは何かという2つの視点から考えて長期的に取り組む。その意味では、学校給食、ごみ収集、保育所などの在り方を見直す必要がある。外部に出す場合にはその受け皿がどうかということが大事。

[▽]少子高齢化の進展の動向を組織編成、定数管理にどのように位置付けるか。

[▽]最近の民間企業では中途採用が普通になっている。若者を採用して社内教育することはもう考えていない。結果的に40代が非常に流動化している。

[▽]若者の就職が困難になっている要因の1つは、仕事を進める上で身につけておかなければならない資格などを持っていないこともある。大学卒業後、専門学校へ行く者が増えているのも同じ理由である。

[▽]雇用に関しては、自治体のマーケットだけが固有の道を歩んでいるが、民間企業の最近の動向を考えると、近い将来、自治体の仕事を下請けする民間ベースの商売が生まれてくると見込んでいる。

[▽]市役所はこれまで決まり切った仕事をやることが主だったが、そこを変えることがこれから先の自治体改革になる。

★ 住民の声を行政が常に聞くというシステムが必要だ。

★ 行政が直接住民のニーズを吸い上げるようなシステム、例えば総合窓口というようなものを考える必要がある。

[市民が利用しやすい組織とは]

(□)縦割り組織、お役所仕事とか、色々な悪口の言い方がある。そういうものが改善されていけば、市民の信頼が高まっていく。どうやっていくのかという部分の道筋がまず根幹にある。

(□)縦割り行政で横の連絡が無いし窓口が全然繋がっていなくて、課によってそれなりの壁みたいなものがあるという、行政の当たり前の姿として私達が諦めている部分を改善できないか。

(□)最近は係というのを廃止してグループ化する。そうするとかなり自由に人を動かせて、色々効率的な使い方をしている。

(□)企業の総務が専門の人間と人事の人間、仕事の中味が全く違うので、同じ部署だがそれぞれの仕事が分からなかったが、人が少なくなってきた関係もあるが、総務の人間も人事の仕事を、人事の人間も総務の仕事をと相互に分かりよくする仕組みというものをやってきた経過がある。こういうものは行政機関でも可能性はある。

(○)顧客意識を持って市民がよりよく生活ができるための窓口のありようをどうしていくのかというのがまず第一にあると思う。

(○)市民のサイドから、こういう組織があると便利だとか、そこにはプロがいてみんなが安心できるとかというふうにすると市役所が変われるきっかけになる。市役所の中の組織も市民サービスをルーティンでやるサービスの部分と、それから専門のいろんな環境とか保健とか、市民にやってもらうのであればNPO支援課というのがあってもいいはずで、そういう角度で組織を見る。

(○)市役所が変わっていく部分が市民から見ると事務事業に関わらない行政の在り方だとか、市民への接し方とか、かなり情緒的な、手続き的な、接点を持つ人の人柄だとか。もちろんベースには意識改革がなければいけないが。要するに行政が変わったと市民から言ってもらうためには、別に大幅な予算措置をしなくてはいけないだとか、何かをやらなくてはいけない、必ず達成しなくてはいけないというわけではなくて、もっと内部的な、内部的な工夫によってはあり得るのではないか。

(◎)民間企業のお客様相談室は大切な機能で殆どが部長級である。若い担当者では駄目で経験豊かでゼネラルに知っている社員があたっている。

(◎)ITも必要だが、病院の振り分け外来のような機能が市役所にあるといい。

(◎)行政のベテラン職員を前線に出してやっていく。そのための動機付けが必要。

[▽]組織については、行政の論理ではなく、市民の使いやすさという視点からその在り方を整理する方向。

(▽)例えば「緑いっぱい伊勢原課」のように緑なら緑でくくり、総合的に管理する方法を考える。そうすればNPOを活用できてNPOもノウハウを蓄積できる。行政も人数が少なくて済む。そういう方向で行政組織を改編する方向性が必要。国土交通省がNPOを活用している例があり、国が負担しているのは保険料程度。

(▽)組織図を見ると、公園緑地課に13人、農林整備課に10人、河川水路課に5人いる。みどり財団があるのに公園緑地課は少し多い気がする。また「林」はやらないのか。そのほかにも環境保全課に6人いる。市域全体を見て町中をきれいにするから山の中は遅れることになってはいけないので、行政組織を本当に総合的に見る必要がある。

(▽)各地区で老人会が花いっぱい運動に取り組んで定着している。高齢者だけではきついので子ども会と一緒にやるようにしたところもある。自治会がその一翼を担ってもいい。緑に関してはそれが植わっている場所で担当窓口が分かれると分かりにくいので、市の担当を一元化したほうがいい。将来は民営化して、行政は支援のみにする。

(■)伊勢原市役所の受付がある。感じはいいが、アメリカの自治体では、受付の女性が電話交換手をやりながら、受付もしている。行政組織の改革を考えるときに、受付の業務は外からかかってくる電話に対する対応も含めて考えたらどうか。見目麗しい女性でなければいけないのか、受付でほかの仕事をやっていてもいいのではないか。

(■)銀行にはフロア相談係の人がいることで非常に便利。市役所のフロアでもそういう人がいるといいのではないか。

(■)民間企業では社員ではなく警備も含めてビル管理を委託している。

[マネジメント機能]

(□)大事なのはマネジメントである。どこにポイントを置いて伊勢原の魅力づくり、特徴づくりをしていこうかという観点から、都市行政の戦略だと思う。組織を入口としてアプローチすると早いと思う。

(□)市役所の機能としてはマネジメントがある。そして政策の専門家も必要になる。それとプランの専門家が必要になるかもしれない。大体そんなような方向で組織を考えるべき。

(□)行政の組織を顧客別、市民階層別にとらえたとしたら、おそらく組織が基本だと思う。昔は定期異動でどんどん変えていったが、そこの人事異動のやり方をちょっと変えるだけで、伊勢原市の人口構造が変わるのに合わせて人事異動も変えようとか、あるいはプロ化しようとかという行政のマネジメントサイドの意図があれば、これはかなり変わり得るのではないか。

(□)各市に総合企画室みたいなものがあるが、総体に対するビジョンは作るがそれを降ろしていく権限が与えられていないとか、機能を果たし切れてこなかった。そこが変わっていけば、職員の人事システムが変わり、教育システムが変わっていく中で、行政の在り方が変わってくる。

(○)行政の中に全体を見据えて差配ができるポジションが実はないというのが一番の問題。そういうポジションを作っていけるかどうかということがポイントだろう。そこに連動しながら人事システムが再編成されることが必要だ。そういうポジションができて、そこの人たちがきちっと判断しながら内部的に整理をしていけるシステムを作り上げていくという提言をしたい。

(○)自治体には戦略企画室というのがない。市長は政治家だから、市長が考えていることを職員がうまくクリアして実現するというやり方をとっていても、よその都市と競争をして伊勢原がよそよりも勝るという考えにはない。そういう仕掛け、戦略を立てるセクションが自治体にはどこにもない。

(○)民間が、この厳しい時代に生き延びるのに昨日までとは違うことをやる、よそと違うことをやる、そういう議論をしょっ中して、何か違ったことを探し歩いている。行政もそういう意味で、中枢、戦略企画本部みたいなものがあって、どうしてもやらなければならないことと、やる必要がないもの、むしろ市民・民間にやってもらうほうがもっとうまくいく、あるいはもっと安くいくというようなことを仕分けする必要がある。

(○)サービスの充実を感じる組織というのか、やはり目に見えて伊勢原の行政がそういうところを改善されていくとなれば、前から出ていた受益者負担などの部分で一定我慢する、理解をしてくれるんじゃないか。総合的に伊勢原市の行政がそんなふうに変わっていけたら。その根幹になるのは末端を変えていくことよりは、中枢の企画的な全体を動かせるような部署がないと。

(○)お金がないときには、新規的事業経費は取り上げられない、経常的経費をできるだけ10パーセント切ってということの中で予算とするのが常だと思う。これは新規事業だがやっていく価値があるんだと、権限を持っているところがそれを認めて予算化させていかない限りそういうのは日の目を見ない。それをやりづらいシステムになっているのではないか。

[スリム化]

(□)スリム化という方法論は無くて結果としてなされるもの。これから大量退職時代を迎える。しかし新規に採用しなくてもやっていける。だから結果的にスリム化するんだと。

(□)切りやすくて目立ったものだけが切られて、これでスリム化が図られたんだというなら、今まで広範な論議をしてきたことが生きない。そういうものが本当に市民にとって新しい伊勢原の行政として評価されるようなものになり得るのか。

(□)この委員会の目的は行財政の改善であり、どの程度のお金が必要か、要するにスリム化する必要があるというところに委員会発足の理由がある。概括授権でバブルの頃膨らませるだけ膨らませたが、急速に締まったのでスリム化しなければいけない。

(□)団塊の世代が自然に減っていく。ただその場合、自然流れに減っていくからということじゃない。定員を減らした態勢の市民サービスというのはどうあるべきか、その中で、より効率的にするために職員の意識改革とか訓練も必要になる。

(□)スリム化というのは人を減らすという意味ではなくて、定員、組織の見直しということだろうと思う。

(□)1つの代表的な事業を選んで、経費としての人件費まで見ながらどれだけの経費を使ってどれだけの市民に対してサービスができるのかということを計って、実際に必要かどうか、もしできるならスリム化の方向を考えて、それを1つの雛形として行政の人に提示する。行政の人にも我々民間で商売をしている人間の考え方も知ってもらえばヒントになるのではないか。

(□)根本的にスリム化の手法というのを確立して、それで余ったら税金を減らしてもいいんじゃないか。足りないからもっとお金が入る方法を考えるということも方法かもしれないが、同じレベルのサービスをするのに最低これだけであればできるというのを考えて、とりあえず歳入が足りない分を補えればいいし、余った分は市民にお返しする。

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